長谷川リン次郎展@平塚市美術館

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平塚市美術館に初めて行った。


私の好きな岡本秋輝をお持ちだそうだが、
なかなか見れない。
今回は長谷川リン次郎展。
入口には子猫がムクッっとこちらを見てる
いきなりハートを鷲掴み…



長谷川氏の絵には不思議な魅力がある。
ツルッとした凹凸の無い感じがする画面なのだか、近づいて見ると筆は細かい。
中央から隅まで気持ちのブレがない。
画面の隅々まで彼の思いが均一に塗り込められているようだ


《早春》の二人の少女の背景に風にうごめく竹藪は今でもザザァッっと音をたてそうなリアルさだ

人物の描き入れられた風景画もあるが、何処か他人行儀
人物に重きを置いていない気がした。
何処か幻想的と思われる景色は、必ず実物を見乍でなくては描かない長谷川氏が捕らえた

その風景の長い時間を一つの画面に集約してある

という不思議さ故なのだろう。
瞬間を捕らえた竹の揺れではなく、朝夕の風に揺られ長い時間二人の少女を見守っていた竹の囁きなのだろう。



やがて長谷川氏は静物画 へ移行する。
…何だか《しっとり》とした湿気のような纏わり付く感じがした。
一見無機質を装う静物画だが、陶器やホウロウが描かれた画には必ず長谷川氏が写り込む。

もしかしたら、静物画を装った自画像なのだろうか…


絵画の合間に、長谷川氏の日記が転記されている。
林檎の絵を何度も描き、描き直し、止め、再び新しい林檎を買いに行く。

短い断片的な日記はまるで、詩のよう

彼の切ない程の真面目さが滲み出ている。

林檎の他に、アネモネの日記もあるのだか
読んでいる人がクスクスと笑う。


画面全体に余すことなく均一に捧げる情熱
実物が無くては描けなくて、絵が仕上がる前に猫が先に亡くなってしまう遅筆

それら全て、自分が失ってしまった素直さ、ひたむきさを愛しく思い微笑む。


絵の素晴らしさはもとより、長谷川氏を想う愛に溢れた展示であった。

久しぶりにトータル的に良い展示を見た気がした。
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by suisyou_an1421 | 2010-06-15 08:14 | 日々のこと
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